'24.1.27 ひ☆げ

新型感染症以来のマスク、そしてテレワークとリモート会議（サウンドオンリー）の日々が続きいつしか髭を剃ることを忘れがちになりました。ぼーぼーでもマスクしてればわかりませんし。たとえマスクの端から髭が見えていてもそれを突っ込むような人は普通いませんし。

そんな無精髭ボーボーの状態で床屋さんに行ったとき、床屋の主人に尋ねられました。「髭はどうしますか？」と。私は「無精髭なので剃っちゃってください」と答えました。すると主人は「いやいやお似合いですよ」と。そのひと言が私に変化をもたらしました。

次に無精髭が伸びたとき、鏡の前でカミソリを手にした私はほほをあたり、アゴをあたり、唇の上に残った髭を前に手を止めました。床屋の主人の言葉が頭をよぎります。私は暫く鏡の中の自分のひげ面を見つめました。そして「へへへへ」と笑ってから髭をそり落としたのでした。

次に無精髭が伸びたときはずいぶん長く放置したのでかなりむさ苦しくなっていて「そろそろ剃るか」と鏡の前でほほをあたり、アゴをあたり、口髭だけ残った状態になりました。それを鏡で見つめているうちに「へへへへ」と笑った私はカミソリを置いたのでした。口髭の誕生です。

それから暫く口髭のまま生活していたのですが、独り身だし引き籠もっているし仕事はリモートだしビデオ会議はないし（サウンドオンリー）外に出るときはマスクするしで誰か知り合いに会うわけでもないしで口髭の存在を忘れてました。年末の忘年会はそのまま出かけて友人たちと顔を合わせて会食したのですが久しぶりに会ったせいもあるのか髭に突っ込みません。一人だけ「髭にしたのか」と言ったくらいで話題になるわけでもなく会話は流れてゆきました。年末年始で帰省したときは2ヶ月前くらいにあったときは髭が無かったのだからして何か言うかなと思ったら両親も妹も姪たちも触れません。なので自分から言いましたが似合うも似合わないも肯定も否定もなし。まぁ姪一号が右下にうつむきながら小さく「無い方がいい」と呟いてましたが。先日は久しぶりのビデオ会議で一人「似合いますよ、似合う人と合わない人がいますがすは似合いますよ」と受けてくれた人がいました。と口髭を生やしたまわりの反応はそんな感じ。ちなみに自分では悪くないと思ってますわ、思ってますわよ。

そんなんで今に至り、口髭とともに日々を暮らしています。

口髭を生やしてみてわかったことは、無精髭では無いちゃんと髭を生やしている人はおしゃれだということ。なぜなら手間がかかるのです。髭を剃る頻度でメンテナンスが必要です。残さない部分を剃ったり刈ったりしないとすぐにむさ苦しくなる。剃ってしまって無くした方がよほど楽だということに気づきました。髭の人は手間をかけてやっているわけでおしゃれだなぁと。こいうことはやってみないとわからないものですね。

私の口髭は今のところは邪魔な毛をカットするくらいですが、おしゃれ的には髭をどのような形に整えるかが重要とのこと（インターネットをリサーチしてみて）。メンテしながら理想の髭に近づけてゆくらしい。オイルをつけて艶を出したり（艶がないと不健康でむさい）毛の流れに癖をつけたり（割と髭の一本一本は自由きままです）と、もともとの髭の密度や形や質に加えて日々のメンテでコントールするようで、まるでこれは自分の顔を使った盆栽みたいと。いずれ私も理想の髭を見つけてそこに向けて盆栽してゆくのでしょうか。

そんなわけで飽きるまでは口髭を生やしていようと思っています、マル。