'14.3.16 いまさらながら座談会の後編の話

半月以上経ってしまいましたが、放映時にリアルに見て楽しみました。印象に残った話をたらたらと。

マルケスの話。出演者の遠藤さん曰く、マルケスは危ないサーキットで速い。危ないとはコースの先が見えない、ブラインドコーナーの多いコースのこと。インディアナポリスとかテレビで見ているとカメラの位置が高いからそうは見えないが、実際にコースを歩いてみるとアップダウンでコーナーの先が見えないそうな。遠藤さんは撮影しようとするからわかるが、マルケスはそういう危ないコースで明らかに他のライダーより速い。その代わり練習走行や予選ではコースアウトしたり転ける。けれど本戦では転けずにうまくまとめてくる。そして勝つ。考えるに1年目だからそういうスタイルだったのかもしれないなぁと思いました。そういう限界の試し方はリスクですよね。怪我しないとも限らないし。

後半はMoto2で活躍中の中上選手の話です。本人も居ます。遠藤さんが中上選手には期待するところが高い、高いゆえに残念だと思うところを話しました。曰く、最後の一押しが足りない。たとえばカタールでP.P.をとれなかった時。フランスの予選でトップタイムを取った後に雨が降ってきて、決勝を考えれば雨の走行を試すべきなのに、他のトップクラスの選手は走っているのに中上選手は走行を諦めてしまった時。

それに答えて中上選手は、自分も走ろうと思ってウェアやら用意していざ走ろうとしたら、レインタイヤが用意されていなかった、走れなくて自分も残念だったと。そしたら、先輩ライダーたちによる説教タイムの始まりです。放映中を見ていた時は、中上選手きつい目に遭っているなぁ、と思いましたが、改めて見直すと、先輩ライダーたちは口は厳しいですけれど、優しいですよ。

坂田さんは、タイヤが用意されていないとか中上選手とチーム（メカ）の間でうまく疎通できていない部分があって、日本人から見るとあれっと思うような抜けやミスがチームにあるのは気の毒だ。だけれど、それに流されているのではなく自分で流れをなんとかしないと、と。遠藤さんは、認識不足だった、言いながらも、どんなときでも走るという姿勢をチームに見せていればメカは用意しておくのでは、と。坂田さんはさらに、セッションに臨んで中上選手からチームへインフォーメーションを出しているか？と。セッションに何を望むか、何をしなければならないか、どういう順番で何をするかをチームへ伝えていないから中上選手が望む仕事をメカがやらないのだ、と。つまり、中上選手は計画をしていない、チームへ情報提供していない。日本では周りがやってくれていたけれど、異国のチームで誰もしないなら受け身にならず自分でやれと。シーズン後半はチームへインフォメーションするようになって、それでもやってくれない時もあったりして、そういう状況であの成績を出したのはすごいけれど、と。

そんな遠藤さんと坂田さんがしゃべった後に辻本さんが「ライダーが段取りマンにならなあかんよな」と言いました。辻本さんは「チームもだろうが、ライダーも一緒になって段取りしだすと、まとまってきて勝ちにつながる」。さらに宮城さんが、坂田さんも辻本さんも優しく言ってくれてるけれど、Moto2でタイヤをチェックしないなんてあり得ない、レインタイヤが用意できてなかったのは君が用意できてなかったからだよ、とずばっと言ってました。さらにメカとは別に自分でもマシンやタイヤを確かめろ、メカは嫌がるだろうがそういう奴だと思われれば、メカもしっかりやるようになる、メカを動かすのはライダーだ、とも。坂田さん選手時代にメカから来ないでと言われていたらしい。私は最近見始めたので坂田さんのエピソードを知りませんが、すごい興味あるよ。そういう説教の間、中上選手は話す人に目を向けてしっかり聞いてました。彼もまた勝利のために貪欲に吸収しているんだろうな、と。意外に普段はこういう話しないのかしらん。そんな中上選手の顔を見ていたらチームも変わるし、今年は勝ち抜けしそうで楽しみです。

レースライダーは速いのはあたりまえ、強さを持っていても足りず、段取りができてリーダーシップも発揮できないと頂点のクラスで勝利を得続けるるのは難しい。ロレンソとかマルケスとかニュースを読むとリーダーシップもありそうだものなぁ。

そうそう、2013シーズンの中上選手はチームのスポンサーであるイタリアの運送会社のイタルトランスの副社長の家に下宿していて（録画を見たら豪邸だった）、2014シーズンはチームを変えるんでさすがに下宿できないなぁと荷物をまとめていたら副社長に下宿は続けたら？と奨められたんだそうで、継続して下宿することになったとのこと。そんなにスポンサーに気に入られるなんて、いや、正確には気に入ってくれるスポンサーと知り合えたことに彼はツキがあるなぁと思いました。

2014シーズンの優勝予想コーナー。マルケスとロレンソがチャンピオン奪回を予想する人が多いなか、遠藤さんはペドロサ10勝でチャンピオンを予想。彼には優勝を手にして欲しいと。同感です。でも優勝でなければ1勝か2勝だろう、とも。あと意外にも意外、宮城さんがペドロサ9勝を予想しました。プーチから解放されたペドロサはのびのびとレースに勝つか？

そうそう番組では青木琢磨さんがいじられてました。上田さんがいないからか、坂田さんからいじられていたなぁ。青山さんの雰囲気はこの座談会には必須ですよ。というわけで座談会をとても楽しみました。ほんと面白かった。今、MotoGPはOpen機でDucatiでファクトリー2クラスでニュータイヤとかざわざわしているし、中上選手はテストでトップで走っているし、今年も面白そうなシーズンです。2014シーズンの第1戦カタールは3/23です。

そんな感じで。