バイクを購入したのが確か2000年。走行距離も6万キロを超えました。エンジンからのシャーッという摺動音が大きいし、そのほかにも音がするし、8000回転あたりからの高回転のフィーリングが悪いし、キャブの同調をしてもどうしてもぴったりこないし、そんな諸々の不満が溜まり、ついに踏み切りました。エンジンのオーバーホールです。ただし腰上。
まずはバイク屋さんと相談しました。その結果、メーカー送りにすることにしまして。お願いしたのは腰上オーバーホール、および、キャブレターの調整です。予算は20万円を目安とし、それを超える場合は連絡をもらうことにしました。関東地方に大雪が降った後にバイク屋さん入り。そして私のバイクはトラックに乗せられてどこか知らないけれどメーカーの修理工場へ旅立ったのでした。ちなみにSV400Sの初期型はシリンダーが欠品しているので、そこは諦めてください、とあらかじめバイク屋さんに言われました。
何の音沙汰も無かったのですが、3月が終わろうとする頃にバイクが帰ってきました。納品書の部品欄が埋め尽くされるほど交換部品がありました。参考までに、部品代と工賃と諸々の費用込みで請求は25万円でした。金額が目安をオーバーしていたり、キャブレターは調整のはずがオーバーホールになっていますが、まぁ想定の範囲内です。とはいえ、こういうアバウトさは車のディーラーと違うところだと思うんです、車のことはよう知らんけど。で、そんなこともあろうかと思っていたので費用は何とかなりました。それに戻ってきた交換された古い部品を見たら納得できたので。修理内容は次の通り。
これでシリンダーを除いてはエンジン新品、だと思います。シリンダーは…納品書と一緒に部品の測定結果が添付されていたのですが、私のバイクのシリンダーはまだ標準値の範囲の内でした。かなり際どいけれど。交換済みの部品が段ボールに詰められてバイク屋さんに届いており、バイク屋さんは「どうします?持って帰りますか?」と。記念にと、バルブとピストンまわりだけ持って帰ってきました。ピストンの上部はカーボンで真っ黒でしたけれど。他のパーツ、ねずみ色になったエアクリーナーとか、黄色く変色したキャブレターのフロートとか、硬化したホースとか要らないので処分をお願いしました。
オーバーホールの効果はいかに? まず、静かになりました。エンジンのノイズが減って、走行中のロードノイズが聞こえるようになりました。次に軽やかに吹け上がるようになりました。吹け上がりとともに加速するようになりました。明らかに加速が鋭くなった。吹け上がりについてはキャブレターのオーバーホールと調整による効果が大きいと思います。エンジンノイズはOHの効果だと思います。
予想と違ったのは、乗り味です。エンジンのキャラクターというか、爆発のフィーリングというか、それは変わらなかったことです。私はオーバーホールによって新車みたいなフィーリングになることを期待してました。もう、別人になって帰ってくるかと。しかし、現実にはキャラクターは同じ、ただ元気になって帰ってきた、って感じ。1年ほど前にホイールやハンドルまわりのベアリングを交換した時の方がよほど新車っぽいフィーリングを味わえました。オーバーホールはエンジンが元気になって喜ばしいことではありますが、新車っぽくなるわけでは無い、と私は学びました。うむ。
オーバーホールから戻ってきたので、馴らしとして1日で下道を500キロほど走ってから(へろへろ)、バイク屋さんに持ち込んでオイル交換です。「え、500キロでですか?」とバイク屋さんが怪訝そうにしましたが、目前に迫るゴールデンウィークのツーリングでおそらく1000キロほど走るので、いまのうちに交換するのだ、と説明したら、納得してくれました。出てきたオイルには、不安になるほどキラキラする粒子がたっぷり入っていまして、念のためオイルフィルターも交換。で、ツーリングは不安なく、快適に走れてとても満足でした。ただ、高回転のフィーリングが良くない。細かい振動が回転につれて大きくなります。同調かなぁ。馴らしが済んだら変わった?
去年から続いた一連の整備によって、主要な機能が若返りましたので当分乗れるかと。あとはブレーキディスクとかサスペンションとかチェーン周りが残っていますが、それはまぁぼちぼち。今回は大出費ですが、値段なりの中古車を買うよりは自分のバイクの方が程度は良いし、新車を買うよりは安いので整備して良かったと思ってます。ただし、SV400Sは部品の欠品が出ているし次のオーバーホールは無いと考えてます。あとあれですね、自分で整備できるようにならないと、壊れるようになったバイクの維持はお金がかかりますね。
まぁそんな感じで。