'20.3.20 気候変動とグレタさんと私

最近は新型肺炎のウィルスの騒ぎで聞かなくなりましたが、昨年に気にしてたのがグレタさん。グレタさんの主張を聞いて世の大人（政治家）があれこれ申したりしてました。私は世の動きから離れており朝のラジオニュースとグーグルニュースでしか世の中を見ていなかったので、このグレタさんの話題にはずいぶん経ってから、ヨットが壊れて移動できないというあたりから知ったのでした。

気候変動、温暖化については日本は東関東大震災からアメリカ合衆国大統領がトランプになった頃から温暖化対策への注力が急降下している感があります。ＥＵはわりと真面目に取り組んでいるイメージですが取り組む動機は黒いような。それはともかく十年くらい前は地球がヤバい世界がヤバい引き返せるポイントが近い越えたらもう引き返せないと声高に叫んでいましたが、それから時間が経ってそんな話題が日本のメディアには流れなくなりました。石油が無くなる話と同様にいい加減な話だったのか？と言うことそんなことはなくて、時たま流れるニュースを見ていると極地や高地の気候変動は着実に進んで元に戻ることは無く、原因はなんであれまっしぐらに温暖化が進んでいる状況です。でも変動に対するバッファー要素が新たに発見されたりして以前に予想していたよりゆっくりらしいです。まぁバッファーが消費されたことでバッファーの存在に気づいたらしいので、やっぱりヤバさは変わらないわけで。ちなみに科学や技術の発展への期待は無駄と思います。おそらく温暖化対策の技術はヤバさが爆発して経済的な損失が多発してから発展すると思います。つまり抑止にならぬ。

温暖化の原因は化石燃料の使いすぎとか森林伐採とか海洋汚染とか地球の温度サイクルとか諸々挙がっていますが実証されてません。とはいえ実証できたらすでに遅いので、打てる手を打つというというあたりまえの対応として化石燃料の使用を厳しく制限するのは現実的と考えます。

WRCスウェーデンの中継を毎年観ている人はとっくに気づいていると思うし、そもそも50歳以上の人なら子供の頃と今を比較して冬や夏の様相が違ってしまったことを知っているでしょう。数年単位でも着実に進んでいる感があります。にもかかわらずヤバいという話も引き返せるポイントを越えたとも伸びたとも、そのような話がぱったり聞こえないので、たぶん、もう引き返せるポイントは過ぎてヤバいのだと思います。ひょっとしたら加速する段階に入ったのかもしれない。引き返せないなら騒いでも無駄だし、騒いで社会不安をつくるより黙って備えた方がいい。

温暖化になったら。いろいろヤバいでしょうが、最もヤバいのは経済でしょうね。新型肺炎で崩れている今の比じゃないくらい。ヤバさが直撃するのは今の十代とかこれから生まれてくる世代です。現在の状態を例えていうならば、料理を作るのに鍋をぐつぐつ煮ているコンロの上にはちっちゃな赤ん坊ものっかっていてじわじわ焼かれてる。すでに顔が赤くなっている状態。それに気づいた人が料理人に向かって言うわけです「今すぐ火を消せ」。でも料理人は言い返します「何を無茶を言っているんだ？」ってあれこれ理由をつけて。

このように見立てるとグレタさんの言動の厳しさは当然です。理屈をこいてる余裕は無い。今すぐ行動を！　彼女に同意できるかどうかは、ヤバさの自覚とヤバさを引き受けることになる人たちへの共感です。想像力がないとできません。子供の方が想像力に制限がありませんから彼女の主張が大人に響かないのは仕方ないと思います。

化石燃料で温暖化が進む、と私も思ってますが、正直な話、私はヤバさを想像できませんし（冬らしい日が少なくなったなぁくらいの自覚）、それを受ける立場になるとも思ってない。おそらく影響から逃げ切れるであろう世代に属していると思ってます。もうちょっと若かったら温暖化を回避するように指向したかもしれません。しかし、すでにおっちゃんの私は指向しない。だってYouTubeはだらだら見たいし、SNSにアップされた無限のコンテンツを次々と眺めたいし、googleで素早くレシピを知りたいし、パソコンでゲームしたいし、移動したい時に早く電車が来て欲しいし、乗りたいという理由だけでオートバイで走り回りたいし、MotoGPをライブ映像で観たいし、世界中からワンクリックで買い物して家まで届けて欲しいし、いつでもコンビニで買い物したいし、夜道は明るくして欲しいし、着たい服を着たいし、聴きたい時に音楽を聴きたいし、おいしいお肉を充分に食べたいし、風呂には毎日入りたいし、寒ければ暖房したいし、暑ければエアコンを使いたいし、暗いと思ったらすぐに明かりを点けたいし、温水シャワートイレでお尻を洗いたい。それを再生可能エネルギーが整うまで止めたり我慢しろって無理。とうぜん経済が大後退して生活が不自由になるのはダメ。こんな自分が正しいとは思ってません。でも、もう、私は孔子暗黒伝の饕餮（トウテツ）みたいにエネルギーをむさぼるモノというかその一部になっちゃったんですわ。止められません。悪意はありませんが邪悪です。

私が死んで墓に入ったらひょっとしたら生きているうちに、温暖化で苦しむ世代の人からは愚か者の烙印を押されて全否定されて墓を毀され存在しなかったことにされるほどに憎まれるでしょうが、覚悟するしか。むろん、現時点でもグレタさんには眉をひそめてきつく睨まれるでしょうが、是非もなし。

と、新型肺炎で経済が停滞して環境回復の兆しが現れたというニュースを聞いてグレタさんを思い出して考えちゃった話でした。